超有名校に次々と合格する理由
エチカの鏡 2008年12月13日放送分のゲストは、国語専科教室の工藤順一先生。
都内近郊に5つの教室を持ち、約300名の生徒を指導する国語専科教室では、主に小学生の子供たちに日本語を読む、書くといった、いわゆる国語教育を行っている。
国語専科教室では、進学塾のような受験指導を行っているわけではないのだが、麻布中学のような超有名校に毎年多くの生徒を送り出しているのだという。なぜ、国語指導しか行っていない国語専科教室の生徒が、超有名校に次々と合格していくのか。
工藤順一先生はこう語ります。
日本語力を向上させることで、論理的な思考能力が身につくのです。
日本語力を向上させるとは
国語専科教室が子供たちに指導しているのは、本を読むことと作文を書くことの2つのみ。
日本語力の向上は、考えることができる人間を育てるための躾であると、工藤順一先生は説明します。大事なのは与えられた問題をただ解けるようになることではなく、論理的な思考力を身につけてもらうことなのです。目の前の現実をよく見て観察し、それを言葉で表現することは、生きていく上でとても大事なことです。
物事には様々な見方があるということを知るのは、とても大事なことです。目の前にある複雑な物語や出来事を正しく理解し、簡潔に客観的に、書き言葉で相手に伝える。日本語力を向上させることで、子供たちにこのような力が身についていきます。
普通の受験指導は、与えられた問題を解く力は身につきますが、型にはまった問題しか解くことができません。大切なのは、子供たちが自分の頭で問題を理解し、解釈し、そして答えを導き出そうとすることなのです。子供たちの日本語力が向上すると、このような力が身につくのです。
国語力を磨くには / 工藤順一の薦め
最近の子供たちは、与えられた問題を解くことばかり学んできたため、国語力が極めて低下していると嘆く工藤順一先生。
工藤順一先生が番組の中で、国語力を身につけるために薦めていたのは、とにかく良書をたくさん読むこと。受験対策のための国語ばかり勉強するから、子供たちの国語力が低下していくのだと危機感を感じているという先生は、とにかく良書をたくさん読んで、目の前の出来事をただ見るのではなく、その出来事を理解し解釈して、自分の言葉で表現できるようになることが大事だと話しています。
工藤順一の薦める良書
エチカの鏡で、工藤順一先生が良書として薦めた本は以下の通り。
小学校1年生から2年生については、本を読むというより、本を読むことに慣れる、ということのほうが大事です。このため、どんな子供でも楽しんで読める、ストーリーの簡単な本が良いとのことです。
小学校1年生から2年生向け
小学校3年生から5年生については、子供が自然に想像力を働かせるファンタジーな本のほうが、どんな子供でも本の世界に入り込んでいくので良いとのことです。
小学校3年生から5年生向け
小学校6年生については、リアルな現実に対して、自分の考えを持つことが重要になってくる時期なので、人間の文明論や環境問題など、現実的な問題について考えさせるのが効果的とのことです。
小学校6年生向け